【黄金の木】 御蔵島産 桑
金桑
データ | |
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学名 | Morus australis |
別名 | 御蔵桑、金桑、黄金桑、島桑 |
分類 | 広葉樹 |
科・属 | クワ科クワ属 |
原産国 | 日本(御蔵島) |
気乾比重 | 0.7 |
強度 | 硬い |
ヤンカ硬度 | – |
レッドリスト | ‐ |
切削時には透明感のある金色、経年変化によって深い金褐色に変化します。
他の桑と比べて異質な色合いを持ち、その特有の色彩が「金桑」という名前の由来になっています。
木目は緻密で、タクリ杢や玉杢、縮杢といった杢目が現れる事があります。
この杢目の美しさが御蔵島産桑の価値をより高めます。
材は、熟した桑の実が持つ甘酸っぱい香りを持つことがあります。
乾燥すると、この香りは失われほとんど無臭になります。
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概要
御蔵島の特徴と金桑について
御蔵島は東京都から南に位置する自然豊かな島です。温暖な気候と豊かな自然環境が特徴で、特にイルカウォッチングで知られています。
金桑は、この島で育つ桑の木の一種。限られた環境でのみ成長するため、非常に希少です。御蔵島の環境は金桑の成長に適しており、この木の色合いや木目の美しさは、木工芸品や工芸の分野で高く評価されています。
金桑は、豊かな黄金色の色彩と弾むような軽い質感で、伝統的な工芸品や現代のデザインにも用いられ、その希少性から特別な価値を持っています。
加工性
その硬さと密度から加工には技術が必要ですが、熟練の技で扱うことで非常に美しい仕上がりとなります。金桑は加工時に美しい光沢を放ち、細かな杢目が特徴的。
これらの特性は、木工家や職人にとって魅力的であり、高品質な工芸品の製作において重要な素材となっています。
江戸指物を含めた工芸品での利用と今後の課題
金桑は、江戸指物をはじめとする多くの伝統工芸品に使用される素晴らしい素材です。技巧を凝らした茶筒や将棋の駒を入れる駒箱といった数々の作品が作られてきました。その特有の黄金色と木目を前に、いつの時代も人は虜になっていたようです。
しかしながら、材が枯渇し持続可能な供給が難しい状況です。貴重なこの資源を未来へと繋げていく方法を見出すことは、私たちの新たな課題です。
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