【強さと美しさの象徴】シーオーク

シーオーク

データ
学名Casuarina spp.
別名ビーチオーク
分類広葉樹
科・属モクマオウ科
原産国オーストラリア
気乾比重0.73
強度非常に硬い
ヤンカ硬度1,900 lbf (8,450 N)
レッドリスト非絶滅種

材はピンクから赤褐色。辺材は淡黄色や褐色です。

レースのような模様をしている珍しい木材です。

特に香りは感じません。

概要

「海岸の守り神」と呼ばれる銘木

美しい夕日とシーオークの枝

シーオークの産地と特徴

シーオーク(Casuarina spp.)は、オーストラリア西部に自生しているモクマオウ科の植物の総称です。この木は、松を思わせる針葉樹のような細長い葉に似た枝を持ち、樹高は10~15メートルに達します。その姿は、風になびく枝が美しく、景観を引き立てます。花は小さな黄色で、種子は直径2~3センチメートルの松ぼっくりに似た形状をしています。

「海岸の守り神」

シーオークは、海岸地域に自生し風や塩害に強い木として知られています。また、根が深く、広範囲にひろがり地盤を安定させるため、土壌浸食による荒廃を防ぎます。そのためオーストラリアでは「海岸の守り神」として親しまれています。

優雅な立木
花から蜜を集めるミツバチ

オーストラリアの原住民、アボリジニとシーオーク

ブーメランを構えるアボリジニの戦士。

さまざまな活用方法

オーストラリアの原住民、アボリジニの人々は、シーオークを多様な用途で利用してきました。木材は非常に強靭で、ブーメランや盾、クラブなどの武器や道具の制作に最適です。特に、南オーストラリアのワイリー・スワンプで発見されたブーメランは約1万年前のもので、シーオークの木材から作られたことがわかっています​。

乾燥地域では水分の確保が非常に重要です。シーオークの葉や実を噛むことで喉の渇きを癒していたと言われています。また、シーオークの柔らかい枝を集め、カンガルーの革の下に敷くことで快適な寝具として使用されていました。

シーオークの名前の由来を探る

青々としたシーオークの枝

女性のような美しい材

シーオークは上品な外観で知られる高級材です。英名「she-oak」の「she」は「彼女」を意味し、この木が持つ女性のような美しさからその名がついたとされています。名前に「オーク」と含まれていますが、実際には樫や楢が属するブナ科コナラ属とは異なり、モクマオウ科の木です。

シーオークの枝はカソワリ鳥の羽?それとも馬の尾?

シーオークの学名の由来には、興味深い背景があります。学名の「Casuarina」は、マレー語の「カソワリの木(pohon kasuari)」に由来します。シーオークの枝がカソワリ鳥(Casuarius)の羽に似ていることから名付けられました。日本ではヒクイドリ(火喰鳥)と呼ばれ、世界で最も危険な鳥として知られています。

一方で、代表的な種小名の「equisetifolia」はラテン語で「馬の尾の葉」を意味し、シーオークの枝が馬の尾に似ていることに由来します。どちらも枝の特徴から名前を名付けているのは面白いですね。

ヒクイドリの親子。鳥よりも恐竜に近いように見える
風になびく枝と馬の尾

レースの様な木目の
ペン
Photo by
kinmokusei
淡いピンク色で
大人しい木目のペン
Photo by
kinmokusei
木象嵌の作品
Photo by
kinmokusei

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

齋藤 翼のアバター 齋藤 翼 木工家

独学で技術を磨いた木工家。
培った知識と経験をもとに、銘木や製作のノウハウをわかりやすくお伝えします。

木軸ペン工房 金杢犀の代表
本と映画とアンティーク家具が好き