【幸運の庇護の木】アフゼリア

アフゼリア

データ
学名Afzelia xylocarpa
別名カンボジア: បេង – ベン
ラオス: ຄ່າ – カー
中国: 缅茄 (miǎnqié) – ミェンチェ
タイ: มะค่า (makha) – マカー
ベトナム: Gõ đỏ (go do) – ゴー ドー
分類広葉樹
科・属マメ科アフゼリア属
原産国タイ、カンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマー
気乾比重0.83
強度非常に硬い
ヤンカ硬度1,980 lbf (8,820 N)
レッドリスト絶滅危惧種

橙色から淡黄褐色をしています。

非常に硬く、導管がはっきりしている。
また耐久性が高く、虫害や腐朽に強いことから、屋外での使用にも適しています。

特有の香りはありません。
ただし木屑が水分を吸収するのか加工時に空気を乾燥させる為、呼吸器の異常を感じます。

概要

アフゼリアの特徴と利用用途

小さなピンク色の花
特徴的な果実と種子

アフゼリアの特徴

アフゼリア(Afzelia xylocarpa)は、高さ30〜40メートルに達し、幹の直径は1メートルにもなる大型の落葉高木です。樹皮は灰白色、葉は偶数羽状複葉(ぐうすううじょうふくよう)、花はピンク色で、穂状花序(すいじょうかじょ)に集まって咲きます。また10月から11月には長さ15〜20センチメートルほどの果実を実らせます。種子は卵形またはほぼ円形で、非常に硬い外皮を持ちます。

空高くになる果実。落ちてくる際はとても危険

自生地域と材の利用

アフゼリアは、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーなどの東南アジア地域に自生しています。これらの国々では古くから建築材料や家具、装飾品として利用されてきました。特にその耐久性と美しい木目が評価され、高級家具の材料として重宝されています。

メンガボダイジュ(緬茄菩提樹)と呼ばれるアフゼリアの巨大なマメ

アフゼリアの巨大なマメの特徴

アフゼリアは、特徴的な巨大なマメ(種子)を実らせます。この種子は、長さ10〜12センチメートル、幅4〜5センチメートルで、非常に硬く丈夫な外皮に包まれており、そら豆のような形をしています。カンボジアでは採取されたばかりの新鮮なマメの皮をむき、生のままココナッツミルクやチアシードと混ぜ合わせて食べられています。

アフゼリア・キシロカルパの種子の束

メンガボダイジュとしての多様な利用法

アフゼリアの種子は「メンガボダイジュ」として知られ、さまざまな用途に使用されています。例えば、種子から抽出される油は煙草の製造や薬用に利用され、特に便秘の治療に効果があるとされています。また、種子の硬さと美しい外観から、彫刻や装飾品の材料としても人気があります。日本国内ではペンダントや数珠として販売されており、ウェブ上でも購入が可能です。中国では、不老長寿や幸運をもたらすと伝えられています。

マーカバールと呼ばれるアフゼリアの瘤材

紅白模様が出た美しい瘤材
鋭い棘に覆われた瘤材

アフゼリアの瘤材「マーカバール」の特徴

アフゼリアはしばしば瘤材(バール)が産出されます。この瘤は国内においては花梨瘤マーカ瘤マーカバールの名称で流通しています。淡いオレンジに黄色の辺材のコントラストが美しく、彫刻やインテリアに使用されることが多いです​ 。

アフゼリアが「マカー」「マーカ」と呼ばれる理由

アフゼリアは、タイをはじめとする地域で「マカー(มะค่า)」と呼ばれています。この名称が日本で「マーカ」と呼ばれる元になっていると考えられます。

マーカバールの用途と評価

マーカバールとして知られるアフゼリアの瘤材は、その美しい模様と硬さから、以下のような用途で利用されています。

  • 高級家具:美しい木目と高い耐久性から、特に一枚板のテーブルとして使用されます。
  • 装飾品:独特の模様が魅力的なため、ペンダントや数珠などの装飾品として人気があります。
  • 楽器:硬くて響きの良い特性から、楽器の材料としても利用されています。

マーカバールとアンボイナバールの違い

マーカバールはしばしばアンボイナバール(本花梨瘤)と混同されますが、両者は異なる木材です。
見分けるには知識が必要ですが、いずれも高級木材として評価されています。

瘤材で製作したペン
Photo by
kinmokusei
xylayと呼ばれる
ユニークな杢
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kinmokusei
まるでメロンの様な
網目模様
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kinmokusei
木象嵌の作品
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kinmokusei

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この記事を書いた人

齋藤 翼のアバター 齋藤 翼 木工家

独学で技術を磨いた木工家。
培った知識と経験をもとに、銘木や製作のノウハウをわかりやすくお伝えします。

木軸ペン工房 金杢犀の代表
本と映画とアンティーク家具が好き