【カリブ海の緑の宝石】コーカスウッド
コーカスウッド
データ | |
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学名 | Brya ebenus |
別名 | Jamaica Ebony, West Indian Ebony |
分類 | 広葉樹 |
科・属 | マメ科ブリア属 |
原産国 | キューバ、ジャマイカ |
気乾比重 | 0.9 |
強度 | 非常に硬い |
ヤンカ硬度 | 3,720 lbf (16,550 N) |
レッドリスト | 非絶滅 |
心材は赤褐色で、時折淡い緑色を帯びています。
辺材はクリーム色をしています。
非常に硬く、滑らかです。
磨くと美しい光沢を持ちます。
特徴的な臭いはありません。
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概要
カリブ海を代表する銘木
コーカスウッド(Brya ebenus)の産地と特徴
コーカスウッドは、カリブ海地域、特にジャマイカとキューバに自生する小型の木です。この木は大きくても高さ約6〜10メートル、幹の直径は8〜15センチメートルほどです。長く垂れ下がる枝には、主茎上の短い突起に交互に密集した葉と、明るい黄色の花を持ちます。この美しい花はミツバチなどの昆虫を引き付けます。
成長は極めて遅い事が特徴です。環境変化に対して非常に強く、塩害や乾燥にも耐性があり、栄養の少ない土壌でも生き抜く力を持っています。
木材としての利用
木材は非常に硬く、時折オリーブグリーンを帯びる事から「グリーンエボニー」とも呼ばれています。18‐19世紀のヨーロッパで非常に人気があり、木管楽器や彫刻用材として利用されていました。
園芸の品種としてのコーカスウッド
別名ジャマイカンレインツリー
コーカスウッドは、その美しい見た目と乾燥に強い特性から、英語圏では観賞用植物として非常に人気があります。また園芸や盆栽の世界では雨の後にすぐ開花する特徴から、ジャマイカンレインツリーの名称で親しまれています。これは、厳しい乾燥地域に生息するこの種が、不規則な雨が発生したときに迅速に種子を生み出すために適応したとのではないかと考えられています。
最高峰の管楽器材
最高峰の管楽器材としてのコーカスウッド
コーカスウッドは、その優れた音響特性と均一な質感から、最高峰の管楽器材として評価されています。精度の高さが要求された18世紀の楽器製造において重宝され、特にイギリスとフランスでフルートやクラリネット、オーボエ、バグパイプなどの製作に使用されていました。木材の密度と硬度が楽器材として理想的で、明瞭で豊かな音色を生み出すと言われています。
現在でも、一部の高級楽器製作家によって使用されており、その希少性から非常に高価です。ただし過去の乱伐により、商業的には枯渇しているため、流通量は極めて少ない事が現状です。これにより、コーカスウッド製の楽器はコレクターや音楽家にとって貴重なものとなっています 。