【蝶の樹】モパネ
モパネ
データ | |
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学名 | Colophospermum mopane |
別名 | balsam tree, butterfly tree |
分類 | 広葉樹 |
科・属 | マメ科コロフォスパーム属 |
原産国 | アフリカ |
気乾比重 | 1.08 |
強度 | 非常に硬い |
ヤンカ硬度 | – |
レッドリスト | 非絶滅 |
上品で豊かな赤みを帯びた心材と、淡い黄色の辺材を持ちます。
木目は緻密で重厚、一部黒色の斑点や縞が入ります。
特徴的な香りはありません。
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概要
※一部虫の画像を掲載しています。苦手な方はご注意ください。
南アフリカの孤高の木
モパネ(Colophospermum mopane)は、アフリカ南部の乾燥地帯に広がる重要な樹木です。この木はその特異な環境適応能力により、他の植生が少ない厳しい環境でも繁栄します。モパネは20〜30メートルの高さに成長し、広い範囲にわたって優勢を占めるため、「南アフリカの孤高の木」として知られています。乾燥した低地の粘土質の土壌でよく見られ、その存在は地域の生態系にとって不可欠です。
【蝶の樹】の由来
モパネは、その独特の葉の形から「蝶の樹」と呼ばれています。この木の葉は、二枚の小葉が向かい合う形で成り立ち、蝶の形に似ています。この特徴的な葉の形状が「蝶の樹」という名称の由来です。
この葉は、雨季には鮮やかな緑色を呈し、乾季には黄金色に変わります。さらに、暑い日や風の強い日には、モパネの葉の両側が一緒に折りたたまれて蒸発を抑え、露出する表面積を減少させる特性を持っています。この適応性も、モパネが厳しい環境で繁栄する理由の一つです。
環境への耐性の秘密
モパネは、過酷な環境耐性で知られていますが、その成長にはモパネワーム(Gonimbrasia belina)の存在が重要です。モパネワームはモパネの葉を食べ、その糞が土壌に豊富な栄養素を提供します。
これにより、モパネの木は必要な栄養を効率的に吸収し、乾燥地帯でも健康に成長することができます 。この共生関係は、モパネの木が厳しい環境でも生存し続けるための秘密であり、地域の生態系において重要な役割を果たしています
モパネワームと現地住民の食文化
モパネワームは、南部アフリカの現地住民の食文化において重要な役割を果たしています。この幼虫は栄養価が非常に高く、特にタンパク質、鉄、カルシウム、リンなどのミネラルが豊富です。これにより、現地住民の重要な栄養源となっています。モパネワームは雨季の間に大量に発生し、この時期に女性や子供たちが収穫を行います。収穫されたワームは家庭での消費だけでなく、市場で販売されることも多いです。
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