【翡翠の木】パロサント

パロサント

データ
学名Bulnesia sarmientoi
別名Verawood
分類広葉樹
科・属ハマビシブルネシア
原産国アルゼンチン、パラグアイ
気乾比重1.10
強度非常に硬い
ヤンカ硬度3,810 lbf (16,950 N)
レッドリスト準絶滅危惧種

鮮やかな緑色をしています。辺材はクリーム色。
また、太陽光によって色が深くなっていきます。

繊維の方向が独特で、ヘリンボーン柄のような木目がでます。
油分を豊富に含んでおり、熱を加えると油がじわっとにじみ出てきます。

切削時に甘い香りが広がります。

概要

聖なる木「パロサント」

アルゼンチン、パラグアイにまたがる乾燥した半砂漠地帯「グランチャコ」
撮影者:Ilosuna,[CC BY-NC 1.0]
住居の近くにそびえるパロサント
撮影者:manueloy,[CC BY-NC 4.0]

パロサントの原産国と特徴

パロサント(Bulnesia sarmientoi)は、南アメリカのアルゼンチン、パラグアイ、ボリビアの乾燥地域に自生する落葉広葉樹です。これらの地域では、長い歴史を持ち、地元の人々によって多目的に利用されてきました。

パロサントは成熟すると高さ10〜20メートルに達し、その頑丈な幹は直径が最大70センチメートルにもなります。葉は小さく、深緑色をしており、花は小さく、可愛らしい白色をしています。

枝いっぱいに咲き誇る可憐な花
撮影者:guagui,[CC BY-NC 4.0]
深緑色の葉
撮影者:andrespautasso,[CC BY-NC 4.0]

パロサントの由来

パロサントはスペイン語で、「Palo(木)」と「Santo(聖なる)」を意味します。この名前は、古くから地元の先住民が宗教的儀式やスピリチュアルな目的でこの木を使用してきたことに由来します。パロサントの木材は独特の甘い香りを放ち、焚くことで空間を浄化し、リラックス効果をもたらすと信じられています。

別種の混同に注意!

ハマビシ科とカンラン科のパロサント

日本国内で「パロサント」と検索すると、香木やエッセンシャルオイルといった製品が多数見つかります。一般に知られているパロサントはカンラン科(Bursera graveolens)であり、今回の記事で紹介しているハマビシ科のパロサント(Bulnesia sarmientoi)とは全くの別種です。ただし、どちらも原産地が南米で、リラックス効果のある香りを持つ特徴が似ているため混同されやすいです。一番の判断基準は見た目で、カンラン科の木は白色系、ハマビシ科の木は緑色をしています。以下の画像をご参考ください。

パロサントから抽出されるエッセンシャルオイル

エッセンシャルオイルの特徴

パロサントから抽出されるエッセンシャルオイルは、「ガイアックオイル」として知られています。このオイルは、木材を蒸留して得られるもので、深いウッディーな香りとほのかなバニラやスモーキーな香りが特徴です。この独特な香りは、香水業界でベースノートや固定剤として広く利用されています​。

利用方法

  • 香水: その深い香りと長持ちする特性から、高級香水のベースノートとして利用されます。
  • アロマテラピー: このオイルはリラクゼーション効果が高く、ストレス軽減や瞑想のサポートに使用されています。
  • 治療用途: 伝統的に、関節や筋肉の痛み、呼吸器の問題、皮膚のトラブルなどの治療に使用されてきました。抗菌・抗炎症効果があるとされ、自然療法の一部として利用されることがあります​。

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この記事を書いた人

齋藤 翼のアバター 齋藤 翼 木工家

独学で技術を磨いた木工家。
培った知識と経験をもとに、銘木や製作のノウハウをわかりやすくお伝えします。

木軸ペン工房 金杢犀の代表
本と映画とアンティーク家具が好き