江戸時代の粋な道具 煙草盆
煙草盆と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか?
文字通り煙草を入れるための盆ですが、紙巻きたばこや電子タバコが主流の私たちには「煙草にお盆、必要かな?」と単純な疑問が湧いてきます。
しかし、この古き良き時代のアイテムには、ただならぬ魅力が隠されているのです。
今回は、煙草盆を購入し、印鑑ケースとしてリメイクした私が、なぜ購入したのかと煙草盆の歴史、そしてそのリメイクアイデアについて簡単にまとめていきます。
煙草盆とは
煙草盆は、煙草を楽しむための道具一式を収めるための盆です。通常、火入れ、灰吹き、煙草入、煙管、香箸などがセットになっており、これらを美しく収めることができます。江戸時代において煙草は、上流階級だけでなく庶民にも広く愛される嗜好品であり、煙草盆はその文化を象徴するアイテムの一つとされていました。
冒頭の疑問、「煙草にお盆、必要かな?」について、技術が発展した現代では、確かにその必要性は感じられないかもしれません。現代の喫煙には煙草とライターだけで充分です。しかし、江戸時代の喫煙には火を保持する小さな器、葉を入れる容器、喫煙器具など、複数の道具が必要でした。そうした道具を一箇所に収めるために、煙草盆が用いられていたわけです。
粋なデザインと工芸
煙草盆は、単なる実用品を超えた美術品としての価値も高く、当時の職人たちによって、木、竹、金属、漆など様々な素材で精巧に作られました。それぞれの煙草盆は、江戸時代の粋なデザインが反映されており、使う人の社会的地位や趣味、個性を表現するアイテムとしても重宝されていました。
現代での煙草盆の魅力
紙巻きたばこや電子タバコの時代において、煙草盆を購入すること、さらにそれを印鑑ケースとしてリメイクして使うというのは、一見すると奇妙に見えると思います。しかし、これは煙草盆の持つ魅力を再発見する試みと考えています。
趣向を凝らした煙草盆をリメイクする事で、生活の中にさりげない粋を取り入れることができるのでは?と製作してみました。私にとって仕事道具として毎日目にする印鑑が、単なる道具ではなく、歴史や物語を感じるアイテムとなることで、使うたびに特別な気持ちになります。また、来客時やイベントで見て頂く事で、きっと文化や歴史に対する興味や理解を深めるきっかけになります。
まとめ
煙草盆は、江戸時代から受け継がれる日本の粋な道具です。
現代でも茶道で使われています。歴史と文化をしっかりと尊敬し、新しい使い方を考えてみる。リサイクルショップで見かける古道具に新しい生命を吹き込む取り組みの一つとして今回挑戦しました。過去と現在を繋ぐ橋渡しとなり、生活を豊かにするひとつのアイデアとして楽しんで頂ければ幸いです。
(ちなみに私は非喫煙者です。お酒は大好きです。)