【時代を跨ぐ銘木】チーク
チーク
データ | |
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学名 | Tectona grandis |
別名 | ‐ |
分類 | 広葉樹 |
科・属 | シソ科チーク属 |
原産国 | インド、タイ |
気乾比重 | 0.65 |
強度 | 硬い |
ヤンカ硬度 | 1,010 lbf (4,500 N) |
レッドリスト | 非絶滅 |
心材は黄土色をしており、時間と共に深い色となります。
辺材は淡いクリーム色。
硬く、油分を含んでいるため、滑らかで美しい光沢を持ちます。
油分のある独特な香り。
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概要
東南アジアの豊かな自然
チークの産地
チークは、インド、ミャンマー、タイ、ラオスなどの東南アジア地域に自生する非常に大型の落葉広葉樹です。この地域の豊かな自然環境が、チークの優れた特性を育んできました。特にミャンマーの森林は、世界でも最高品質のチーク材を生み出すことで知られています。
樹木としての特徴
チークの木は、成長すると高さ40メートルに達し、幹の直径は1.5〜2.5メートルにもなります。幹は直立し、樹皮は灰色をしています。葉も非常に大きく、長さ30〜60センチ、幅20〜40センチの楕円形で、表面は粗くざらざらとした手触り。裏面は毛で覆われています。
チークの花は小さく、白色から淡紫色で、円錐花序(えんすいかじょ)に集まって咲きます。これらの花は芳香を放ち、受粉のため昆虫を引きつけます。果実は球形で、直径1〜2センチの堅果(けんか)です。成熟すると乾燥して裂け、種子を放出します。
チークの運搬には象の力が必要不可欠?
象による伝統的な運搬方法
東南アジアの一部の地域では、伝統的にチーク材の運搬に象の力を利用してきました。森の奥には悪路が多く、重機が入ることができない場所もあります。
象はその巨大な体と力強い脚を使って、険しい地形や狭い道でも効率的に重い木材を運ぶことができます。この方法は、森林を傷つけずに持続可能な形で木材を移動させる手段として注目されています。
世界三大銘木の一つ、チークの魅力
時代を跨ぐチークの耐久性
チークは、その美しい金褐色の木目と卓越した耐久性から、マホガニーやウォールナットと並んで「世界三大銘木」として知られています。シロアリや腐朽菌に対する天然の耐性を持ち、長期間にわたって美しさと機能性を維持することができます。その耐用年数は100~200年とも言われており、まさに世代を越えて使用する事が出来ます。屋外家具、デッキ材、船舶の甲板など、過酷な環境下でもその特性を発揮します。
チーク材を使用した壮麗な建築物
チークを使用した代表的な建築物として、タイのバンコクにあるウィマンメーク宮殿が挙げられます。1900年にラーマ5世によって建設されたこの宮殿は、世界最大のチーク材建築物として知られ、三階建ての全てがチーク材で作られています。この優れた耐久性が最大限に活かされ、建設から100年以上が経過した今でも、その壮大な構造と繊細な装飾を楽しむことができます。