【実りの象徴】トチノキ
トチノキ
データ | |
---|---|
学名 | Aesculus turbinata |
別名 | 日本:栃(トチ)、クワズノクリ 中国:日本七葉樹(二ホンシチヨウジュ) 英名:Japanese horsechestnut |
分類 | 広葉樹 |
科・属 | ムクロジ科トチノキ属 |
原産国 | 日本 |
気乾比重 | 0.53 |
強度 | やや硬い |
ヤンカ硬度 | ‐ |
レッドリスト | 非絶滅 |
帯紅白色から淡黄褐色。
絹のような乳白色の部位は希少です。
年輪の境はあまり目立ちません。
しばしば波状の杢が現れます。
特徴的な香りはありません。
信頼・安心・あなたは誰かの救いとなる
概要
日本特産のトチの魅力
トチノキの原産国と特徴
トチノキは日本特産の樹木で、北海道から九州まで広く分布しており、湿気の多い肥沃な土地で育ちます。樹高は30~35メートルに達する大型の樹木で、樹皮は灰褐色、老木となると裂け目ができ剥がれ落ちます。
手のひらのような形状の大きな葉(掌状複葉)を持ち、5~6月にかけて白色の花を咲かせます。花は甘い香りを放ち、そこから採れるはちみつはとても濃厚な味わいで高級品として知られています。10月ごろには、クリの実に似た約4センチメートルほとの果実が房状に実ります。
柔軟な加工性
トチノキの材は軽くて丈夫です。軽軟で加工しやすいため家具、弦楽器、内装材、漆器の木地など、様々な用途に使われています。特に美しい杢の出ている材は一枚板のテーブルやバイオリン、ギターのトップ材として使用されます。
〝実りの象徴〟としての歴史
縄文時代から続く食文化
トチノミは、縄文時代から食糧として用いられていました。生のままでは灰汁が強く苦いため食べられませんが、時間をかけて灰汁抜きをすることで食用となります。また、もち米と合わせて作られる栃餅は、現代でも食べることができます。
この実は干すと10年以上の長期保管が可能となるため、古くから耕地に恵まれない地の人々を支えてきました。鈴なりに実らせる姿は『繁栄の象徴』として親しまれ、その名のトは「十」、チは「千」を表わしているとされています。
江戸時代には木材としての利用も進み、特に大径材は臼や桶などに加工されました。乱伐の影響で大径木の供給は減少しましたが、その美しい木目と加工のしやすさから現代でも多くの用途に利用されています。
新たな木材の可能性「スタビライズドウッド」
木材に色彩を加える新技術
スタビライズドウッドは、木材の可能性を広げる革新的な技術です。この技術は、木材に特殊な樹脂を浸透させることで、耐久性と安定性を向上させています。さらに、この樹脂に色を付けることで、独特の色彩と模様を加えることが可能です。特にトチノキは染色する事で杢が際立つことで知られ、新たな活用方法として期待されています。
スタビライズドウッドを製作する代表的な作家 24季
国内のスタビライズドウッドの製作において代表的な作家である24季氏。彼はトチノキや楓に特殊な樹脂を浸透させ、独特の色彩と模様を生み出すことで、木材に新たな価値を与えています。この素材を使用したペンやナイフの柄などの作品は、高品質で独自の美しさを持ち、多くのクリエイターや愛好者から高い評価を得ています。24季氏の作品は、素材の魅力を最大限に引き出す卓越した技術とデザインセンスが光ります。